皮膚の乾き むずむずする

皮膚の乾き むずむずする

更年期を迎えると,「シミが目立つようになった」「ひどくかさつく」「皮膚の上を蟻がはうようなむずむずした感じがする」「いままで使用していた化粧品が使えなくなった」といった皮膚に関する症状も現れやすくなります.
これらの症状は,いわゆる生物に必ず現れる「老化」の一現象とも言えますが,閉経に伴う女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌低下と少なからず関係があります.

元々皮膚そのものは,子宮・卵巣などの生殖器以外では最大のエストロゲンの標的臓器であり,ミクロの世界でもエストロゲン受容体を介した作用が皮膚に認められることが証明されています.また更年期女性の皮膚に対するホルモン補充療法の効果についても,海外では既に1980年代より報告がなされており,これらの報告をみると,ホルモン補充療法を行った人では,行っていない人と比べて,皮膚の中のコラーゲンという物質の量や皮膚そのものの厚みが増加したり,皮膚の保水効果が高くなるようです.しかしながら,皮膚に対する効果だけを期待してホルモン補充療法を積極的に推奨するだけのデータは未だ不十分ですので,このような症状でお悩みの方は,婦人科の更年期外来などでよくご相談の上,対処されることをお勧め致します.